音響オペレーター

マイクなどのケーブルの巻き方には 八の字巻きが一般的ですが
この巻き方には数種類あり
専門学校などでは 一番早く巻ける ある 巻き方で ほぼ全国的に統一されていますが 
インターネットには この巻き方が あまり見受けられず 中には変な巻き方が
検索の上位を占めている事がありますから 注意が必要です。


ミキサー出力について 
パワーアンプをフルにしてミキサー出力を
低くするオペレーターがいますが 
大昔のパワーアンプはHA(ヘッドアンプ)が無く 
入力してすぐにATTなので
パワーアンプのVOLを絞ると入力インピーダンスが
変化して ノイズ、発振などの原因となったためです。
最近のパワーアンプはHAでまず受けてから 
VOLコントロールを行なうので 
ミキサーから定格で出力してパワーアンプでスピーカーの音量を調整するのが
ノイズ比も良く正しい方法です。


特にカナレなどアースが共通のマルチケーブルにおいて 
ミキサーのINとOUT出力を同じマルチ内にした場合 
低周波も飛ぶので 
飛んだ音がループしたりしますから 
アースが共通なマルチは INとOUTを別なマルチケーブルにする
必要があります。




デジタルミキサーにおいては定格以下で出力するほど 
ダイナミックレンジが狭くなり艶の無いガチガチ音になってしまうので 
定格で出力しなければなりません 
信頼できる 現在のデジタルミキサーは スペックが向上しており 
歪みを回避するため ダイナミック レンジはかなり広く
仕様書の値より大きくなっていますので 
定格より かなり大きく出力しても歪む事は無いように設計されています。

デジタル機器の多くは 電源の入切時に アナログ機器よりも
過激な衝撃音が出るので入切の順序を間違ったり 
途中でブレーカーが落ちたりすると スピーカーのダメージが大きい。


アコギ(アコースティク ギター)はハウリングしやすい代表的な楽器ですが 
ライン(ピックアップ)とマイク両方で録る場合 モニターSPはラインの音のみを返すと
メインSPのマイクの音質、音量調節に有利となる。

マイク2本で録る場合 1本はモニターSP用、1本はメインSP 専用にすると
メインSPのマイクの音質、音量調節に有利となる。
マイク1本で パラって2chで受ける方法も良く使われるが 
ハウリング対策を重点にする場合は 最上の策ではない。

いづれもモニターSPとのハウリングが起こっても 
メインSPに直接ハウリング音は出力されない利点となり 
モニターSPとのハウリングを気にせずに 
メインSPの音質、音量調節が行なえる。


アコギはフォークとクラッシック ギターでは音色が異なり 
ピック、フィンガリング、フィンガーピック など奏法により
大きく音量、音質は異なるので
HPにあるマイキング(サウンドホールを避け12フレットあたりを狙うなど)を
鵜呑みにしては危険です。 
最終的には 他人の意見や先入観にとらわれず
メインSPからの音を聞いてマイキングを判断するのが良い。
マイクの種類やマイキングは手段ですので 
結果としての音が良くなければ それらに拘るのは無意味です。




パワーアンプの選択について 一般的(設計技術者的)には
下記サイトのように説明されていますが 0000
音楽のジャンルなどにより この手段だけではスピーカー破損の危険は低減できません。

パワーアンプ出力について



音響の中でも PAオペレーター は一番 機材トラブルに遭遇する職種です。
生のコンサートは やり直しができません 
レコーディングのように 最悪 日を改めと言う事は できませんから 
普段からの 機材の取り扱い、メンテナンス に十分注意する事が一番重要ですが 
どんな機材でも いずれは 調子が悪くなり 故障する運命ですので 
現場での機材トラブル の知識、処置能力があるほど 頼りがいのあるオペレーターとして
高く評価されます。

単なる誤接続、設定操作の不良は それらを正せばすぐ復旧しますが 
機材内部でのトラブルは簡単に修理できないので 
トラブルの処置を誤ると 時間が無駄、致命傷となります。

機材トラブル:


半田クラック
機材トラブルの中で 一番多く やっかいなのが 半田クラックです。



半田クラックの原因は、
プリント基板において 
機材の落下、運搬、移動時などの 振動や
大きい部品 (電解コンデンサーなど)が  
音の振動により 共鳴 ポイントに運悪く遭遇した部分や
ケースの設置 不安定によるねじれ、
ボリュームなどのツマミ(可変抵抗)、
特に ストレス(プラグの抜き差し)がかかり易い ジャック 部分 などの
半田に亀裂が入って 接触不良になっったり 断裂状態となり 
即 機材の重大な損傷 〜 不調 となります。

これを良く理解している人は 機材の運搬、操作を ていねいに行います。
機材の扱いが悪い会社は 致命的なドラブルも多くなりますから 
そのような現場で働くのは避けた方が無難です。

部品が熱を持ち 
半田の融点に達しなく、且つそれなりの高温になり、それが繰り返される場合、
半田が劣化する事もあります これは、半田を除去し 新たに半田付けすれば直ります。
半田クラックを見つけるには、半田付けした色が濁っていて(通常は綺麗に光っているが、それがない)、
半田付けされた部品の足を中心に小さいブツブツ穴が放射状に広がっているのが特徴です。
特に上右の写真では 基板に穴がたくさん開いていますが、
穴が開いている=発熱が多いという意味で、そういう部品の足はクラックが入りやすいです。

年月が立つに従って半田もモロくなってきますから、温度変化等によって
自然に見えないレベルのクラックが入ってしまう場合もあります。


多くの場合 不調や故障する 前兆があります。
この前兆はセンスが良く熟練した人ほど わずかな兆しでも感じる事ができますから
大きなトラブルの前に回避できる確率が高くなります。


P200 スピーカー ネットワーク


S4115HU スピーカー修理


SX200 修理


PEAVEY CS800Sパワーアンプ メンティナンス:




Level Converter(2ch)



ノイトリック社 マイクケーブル



バンド・コンサートの プロ オペレーターを目指している方

音響専門学校 通信制 ウィング




機材トラブル 修理:

予備の機材はあるが 交換している時間が無い場合もありますから 
現場で修理不可と判断された時は 
状況に応じた代替処置を すぐ行わなければなりません。

帰社後 下記のような本格的な修理、確認を行う事になります。
大きなPA会社には 修理・メンテナンス・改造 専門のスタッフがいます。

YAMAHA EMX5000
接触不良 修理
DPC750 パワーアンプ端子 接触不良
スピーカーの音が かすれたり、ノッチ・フィルターをかけたように 1.6k〜800Hz 付近がカットされる
スピーカーが飛びかけている症状にも似た音 
このパワーアンプ スピーカー端子内部が半田づけではなく ネジ止めとなっており
ネジが緩んで接触が不安定な状態となっていた 
ネジを締め直し完了。
このように 接触不良は 単純なフォーン・ジャックとプラグ間でも 接触具合により 複雑な症状を起こす事がある。
マイク スイッチ交換
ダイナミック・マイクのスイッチは 2,3P を短絡させOFFとなり 短絡解除でONとなる
スイッチのサイズが無い場合は ONで固定させる。
タスカム ミキサー
1−2、3−4 アサインが出力されない。
BUSS 基盤の半田クラックが原因 半田直しで修理完了。
パワーアンプ CREST AUDIO CA9
Bchの音が かすれ気味 
ST、BLT と Achモノラル 切り替えSWの 接触不良 
SWを数回切り替えて酸化被膜を取り除けば改善する 最も単純な症状 

CA9画像  ファン2台は放熱器のみ通過するようになっているので 基盤に埃が溜まり難い構造である。
外寸:W480×H90×D460mm     重量:22kg    最小(待機)電力 100W 実測 
Stereo Power 8-Ohm: 600W RMS
Stereo Power 4-Ohm: 900W RMS
Stereo Power 2-Ohm: 1000W RMS
Bridged Mono Power 8-Ohm: 1800W RMS
Bridged Mono Power 4-Ohm: 2000W RMS
Output Voltage RMS/Peak: 82V/116V; 1kHz, 0.1% THD+N Power Figures are watts per channel, both channels driven

Frequency response (+0 / -0.3dB, 1W @ 8-Ohm): 20kHz, -3dB @ 135kHz
Power Bandwidth (rated power @ 4-Ohm, 1% THD+N 20Hz-20kHzH): -.84dB/+0dB
THD+N: <0.01% rated power @ 4-Ohm, 1kHz
smpte imd: <0.01% rated power @ 8-Ohm, 60Hz & 7kHz
Damping Factor @ 10-400Hz @ 8-Ohm: 700:1

Class: H
Power Supply (factory configured): 100v-240c, 50-60Hz
Circuit Breaker rating (120v): 21A
Current Draw (120VAC) 1/8 Power 4-Ohm: 8.6A
Current Draw (120VAC) 1/3 Power 4-Ohm: 16.0A
Current Draw (120VAC) Idle 4-Ohm: 2.0A
バックアップ ボタン電池 交換
キーボードなどは
10年位 経ちますと バックアップ用 内臓電池が消耗して
Battery エラーの表示が電源立ち上げ時 出て
まもなく ユーザーが記録した情報が消失します。
修理詳細
ギターアンプ  マーシャル 4100 (50〜100W) JCM900 ヘッド 修理
chA の GEIN VOL 不良   chBは正常だが 
chA Gein 音量が不安定 ツマミに触れると症状が出たり 最大Geinで固定となったりする。
GeinのB220KΩ を計測すると異常は無い様子なので
VoL と 基盤の接触不良と思われる  
VOL交換の場合 純正品は 手に入ったとしても高価だが 
同等品であれば ¥50 で手に入る事もある。
チューブ アンプは 真空管が寿命の場合もあるので この場合 プリ管が原因の場合もあるので注意が必要です。
修理詳細
虫によるトラブル
ゴキブリ等の虫及び幼虫などが原因で 機材が故障する事もある 
機材の中で死んで 湿度が高い梅雨時など 伝導物質になってしまい ショートや 
誤動作 故障 となる事もあるので 倉庫などに発生している時は 早目に駆除した方が良い。
倉庫 横の木に毛虫が大量発生し その後大量に倉庫の中へ進入して来た事もある 
倉庫の近くで虫が大量発生した時は 
倉庫の中に進入してくると やっかいなので早めに駆除した方が良い
ガムテープの粘着剤
現場でガムテープは何かと重宝するものですが 
機材に貼り付けたまま長期間おくと 
粘着剤がベトベトに こびりつき 
更に 長期間おくと
粘着剤が乾燥してカパカパに貼りついてしまいます 
こうなると きれいに粘着剤を取る事は困難ですし
粘着剤が プラグやジャックの中などに混入すると 
接触不良などのトラブル原因となりますので
早めにガムテープは小まめに はがしたいものです。
シールはがし(100Y) など効果的な市販品も色々出ていますが 
初期の ベトベトに こびりついた ものはガムテープを使い
はぎとれますが これ以上進行すると 
灯油やガソリンが 市販品より非常に有効です。
乾燥してカパカパに貼りついてしまった時は
水や灯油、ガソリンなどで うるかしてから 
灯油、ガソリンなどで はぎとります。
灯油、ガソリンの注意事項:
灯油<ガソリン の順にはぎ取る力は若干大きいですが 
灯油の方が安全で お薦めです。
灯油もそうですが 特にガソリンはすぐ揮発しますから 
火気厳禁で野外の換気が良い所で作業しないと 
中毒を起こす事があります 
ハイオクなど添加剤が入っているガソリンは 
特に危険で 敏感な方は 
数時間後や数日後に めまいや頭痛などの
中毒症状が出ることもあります。
灯油もそうですが 特にガソリンは
印字が消えたり 材質によっては溶けたり変色する事があるので
見栄えが気になるパネル面などでは特に注意が必要です。

さび取りクリーム(100Y)も市販されていますが 
灯油などでも軽症な時は代用できるかも知れません。

フェーンダー ツインリバーブ  電源ランプ交換

小パネル球    メーカー: パイロ電子
型番: T10BA9S6.3V    0.15A  28±2  10±1φ
マルツパーツ館  秋葉原店  2個で¥105円 
(フェンダーの代理店 取り寄せだと これの数倍の価格となる)
アナログ機器の卓ライト、メーター内ライト
LEDの性能向上により ナツメ球なども 白熱電球からLEDに変わりつつあります。
アナログ機器の卓ライト(ディーマーに注意)、メーター内ライト も 球切れの時を機会に 
寿命が長い LED に改造しています。
パール ドラム Z-TYPE

タム ナット側の欠損による ラグのネジ外れ 
「CL−100」 止めネジが17mmと14mmが
2セットづつ入っているが
17mm はHiTom、
FTomは厚いので不可 前のネジ 18.5mm を使用
古い型はロング ラグ だが 最近は ショートになっている
ネジ穴サイズは40mmで共通 
長い20mmボルト+ワッシャー 1〜2枚で
ナットの欠損具合により一時処置ができる場合もある。 
9V電池 ノイズ
ワイヤレスマイクを新しい電池と交換した所 「ジー」 と電源ノイズのようなノイズが出た 
送信機側の不良の可能性が高いが 現場で すぐできる手段である
別な電池と交換するとノイズは無くなった 
ノイズを出す電池は考え難いが 
現場では このように以外な事でトラブルが解決する事がある 
「気合で機材の不調を直す事ができれば一人前」と良く言われるが 
現場は 生ものなので色々な事が起こる
ストロボ
点滅が不安定 
15〜30W(新品球は 15〜34W) 電力はは点滅速度に比例
球の付け根が黒く変色し 球切れが近い のと
3つある真ん中のソケットの接触が悪いのが原因 
最終手段として直接半田付けやソケットを細く,
プラグを太く(アルミ箔、針)などの処置がある。

15〜30W(新品球は 15〜34W) 電力はは点滅速度に比例
E−75 (定価¥5800)  予備球 あと1個 + ユニットのみ1個 
純正品より 足が細く短い

ディーマーと接続してON、OFF コントロールの際は 捨て玉 が必要。
dBX 2231 ステレオ 31band EQ
上段 のEQ 接触不良
下段は正常だが上段からは 小さく かすれた 音が出る 
正常な時もある 
電気回路の故障も考えられるが 
このEQは 電源トランスも独立しており(同じシリーズのモノラル版との併用)
dBX に時々見られる リレー回路が付いている 
電源OFF 時 リレーは 入出力コネクター同士が直接バイパスされるので 
電源が切れていても 音は出る 
電源を入れると 1.5 秒後にリレーが働き 回路へ切り替わるので 
電源立ち上げノイズが出力される事は無い。
今回は このリレー回路内の接点の酸化被膜による接触不良らしい 
しばらく使っていないのが原因で 
リレーの入り切りを繰り返し 接点の酸化被膜を取り除き 終了。
YAMAHAのQ1031やQ2031などもリレー内臓なので 
電源の入り切りで電源立ち上げノイズが出力される事は無いが
電源OFFの時はバイパスされないので音は出ない。
ローランド キーボードアンプ
音が出なくなる。
非常に小さい音で出たり 正常に出たりで 音量が不安定。
ある一定以上VOLを上げると 接触不良のような音の後 正常になる事もある 
このような症状の場合 一番単純なのは INPUTジャックの接触不良で 
次に MAIN IN や HEADPHONES PREOUT ジャック がある場合
それらの ジャック附属スイッチが酸化被膜などにより接触不良を起こしている場合である。
次に VOLや基盤のコネクター類の接触不良 
さらに重症になると コンデンサやトランジスタの不良となるが 
今回は  MAIN IN ジャック附属スイッチの接触不良で 接点復活剤で簡単に完了した。
MAIN IN とは プリアンプ(INPUT)からの出力を切断し 
パワーアンプへ信号を直接入力させる端子なので プラグを挿すと 
この出力を切るようにジャック附属スイッチが接続してある 
このスイッチの接点は 湿度や埃の状態にもよるが 
あまり使っていないと接点不良の原因となる事が多い。
ベースアンプ フェンダー サイドキック65
電源ヒューズが切れる。
パワーICの不良らしいが かなり古い型番なので 
ICが手に入る可能性は低い 
プリアンプ 回路には問題が無いので 
近年は 小型で優れた あるパワーIC 4Ω 150W 出力があり 
市販の楽器アンプにも良く使われている メンテナも楽で  
電源回路は正常なので このIC に改造。
コンパクトMPプレーヤー 
主に チェック用ソースとして使用しているが 
デジタル機器の中には以前のアナログでは見られなかった 
故障と見間違うような現象が見受けられる事がある。
出力を小さくする、
インピーダンスの不適正(特に Hi ポジションへの出力)
などにより ノイズが増大 
ノイズ状態もLRの出力自体で異なる事がある。
ギターアンプ JC120
雑音が出る症状がある。
雑音の状態から判断すると接触不良の症状らしい 
思ったとおり リバーブの 10KB ボリュームの接触不良 
とりあえず 接点復活財(VR用)で症状は無くなったが 
根本原因は VR接点の劣化なので いづれは 
VR自体の交換が必要だが 基盤に直付けタイプなので 手間はかかる。

JC120、65 の12” SPユニット(MAX120W)は厚みが薄い 
以前 同等品以上の仕様 Peavey sheffield1200plus \9800 に交換したが
装着幅ギリギリだった。
残留ノイズ
パワーアンプの L-chのみ残留ノイズが非常に大きい状態だった。
どのボードが問題かを確かめる所から始まったが、幾つかのボードを調べていくうち、
マイク入力回路が載っているボードのGND回路のプリント配線の一部が断線していた事が判明。
電源又は出力配線などの大電力が流れる回路とGND間を誤って接触させてしまった様な形跡があり、
基板内のGND間を結ぶ細いプリント配線の一部が焼け切れた様な状態になっていた。
幸い断線部分の接続だけで済む内容で他の回路にはダメージはなく、切れた部分を接続したところノイズも出なくなり修理完了となった。

その他の機材トラブル 修理 0000

 





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